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水中爆発

2人が泳ぎながら抱き合って無事を喜び合っていると、何分も経たないうちに突然海底で大爆発が起った。
地鳴りに似た振動音と共に直径50メートル程にも亘って海面が盛り上がった。2人は立ち泳ぎの姿勢で円材に掴まっていたが、はらわたが千切れそうな衝撃である。 「痛いなぁ・・・一体なにが起きたんだ」。
「よく判らんがボイラーが破裂したんじゃないかなぁ』
締め付けられたように痛む腹を撫で回しながら周りを見ると、泳いでいた者たちの中には、悲鳴を上げてのけ反り返る者、そのままぶくぶく沈んでしまう者、重油だらけの海面は大混乱に陥った。
後で判ったことだがが、これは3時間ほど前に爆雷投射をした後、あの鮫騒動で深度設定をした爆雷の信管解除処理をしていなかったため、設定深度に達した爆雷が爆発したものだった。

  • 面舵・・・右向きに舵をきる(左向きは取り舵)

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